お伝えしたいこと
クリニックを受診する患者さんには
次のような権利が守られています
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良質の医療を受ける権利
患者さんは差別なく、常に自分にとって最善の治療を受ける権利を有します。
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知る権利
患者さんは、医師からわかりやすい言葉で、複数の治療法、副作用、予後など自分が知りたい情報のすべてについての説明を受ける権利を有しています。
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決定する権利
患者さんは十分な説明を受けた後に、自分の治療に関して自分で決定する権利を有します。また、治療までに判断の材料として他院でも説明も受け、比較検討する十分な時間を持つ権利を有します。
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プライバシーを守られる権利
患者さんは自分の治療にかかわるすべての個人的情報に関し、配慮を受ける権利を有します。
クリニックを受診する患者さんには
次のような権利が守られています
治療は医師が一方的に行うものではありません。患者さんの協力があってこそ治療の効果が最大限引き出せます。従って、治療を始めたらクリニックが提示した治療計画に従ってください。もし、疑問があれば説明致します。
治療の経過で、万が一、副作用などが出現した場合、ご自分で判断せず、必ずクリニックにご連絡下さい。適切な対処をいたします。
検診には必ずお見え下さい。異常がなくても経過は定期的に医師が確認していきます。
治療に対する疑問点、わかりにくい点などは、可能な限り治療前に説明致します。疑問を持ったまま、治療をお受けにならないでください。
カウンセリング当日の手術はなるべく避けてください。リスクの小さな処置は問題ありませんが、大きな手術になるほど、十分考える時間が必要です。
休日や連休前の手術は極力避けるようにしています。休み中に術後の異常があった場合、スタッフの不足から十分なリカバリーが行えないことがあります。
手術は「やや控えめ」に行うのを信条としています。一回一回、真剣勝負で手術をしていますが、やりすぎた手術は元にもどすのが困難です。足りなければ再手術が可能です。この点を理解してください。十分な時間を取りたいと思いますので、カウンセリングは必ずご予約をお取り下さい。
医師が医学的に難しい、自分の技量またはクリニックの治療能力を超えると判断した治療はお断りしております。このような場合は他院をご紹介しますので、ご相談下さい。手術や処置のご予約を頂くと、前日からスタッフが万全の体制で準備をしております。連絡なしに大幅に遅刻されたり、キャンセルされたり致しますと、スタッフのみならず、他の患者さんにも大変ご迷惑をおかけします。キャンセル、遅刻の場合は一言お電話を頂くようお願いします。
カウンセリングを受け、治療をするかしないか、どの治療が良いかなど迷ったときは一度、お帰りになって、良くお考え下さい。また、他院でカウンセリングをお受けになってからでも遅くはありません。十分お考えになる時間をお取り下さい。
美容外科のあり方について
保険診療外の美容外科は一般に考える医療とは少しだけ異なる点があります。保険医療の場合、誰が治療しても同じ治療費が請求されます。もちろん治療はその時点の最良の治療を行うのは当然の話ではありますが、医師の技量、得意不得意、専門分野の違いなどでも結果に多少の差が出ることも予想されます。
それに比較して、保険外診療の分野はどうでしょうか。これは神聖なる医療という考をいったん置いておくならば、もう少しサービス業に近い、あるいは契約に近い部分が大きいような気がします。従来とはまったく異なり、患者さん(消費者)が積極的に医師(店)を選ぶという経済社会では当たり前のことが従来の医療の部分より以上に目に見える所だと思います。
私(院長)は純粋な形成外科医です。大学病院や国立病院に勤務の時は保険診療外の治療はまったく出来ませんでした。いわゆる病気ではない、唯一美容目的の治療は病院では不可能だった訳です。従来の大学などは日本の保険医療制度にしっかりと縛られ、この枠を超えることが許されなかったためです。最近は東京大学を始め少数の大学でも美容外科を標榜するところが出来てきました。厚生労働省が認定するところの病気の範疇が現代の複雑な社会における、広い意味での病気に対応できていないという点もあるかもしれません。
たとえば一重まぶたのため、不登校のお子さんをよく見ます。従来の社会ではこのような悩みはなかったし、あったとしても笑って片づけられる種類の悩みでした。二重まぶたの方が良いとする風潮もいけないのですが、このような悩みをわれわれは看過してよいものでしょうか。不登校の原因はもっと複雑で、安易に二重手術をするのみで解決されると考えるのも良くないことではありますが、一つの解決の糸口になる例をいくつも目撃しました。美容外科は心の病気をメスで治すと言われますが、そんな大それたことは不可能です。心の病気は心のケアをしないといけません。しかし、私が小さな手助けをできれば、これに越したことはないと思っています。
一方、悩みでなくても二重にしたい、鼻を高くしたいなど様々な欲望があります。(車がなくて不自由で悩んでいるのではなく、良い車がほしいという欲望の様なものです)この場合の二重手術には、自分の満足度に応じた費用が請求されてしかるべきでしょう。もっとも通常、どのような事情であろうと費用は一定で、変わることはありませんが。
何が良い治療で、何がそうでないか?
美容外科の場合、はっきりしているのは満足度という尺度のみです。どのような治療でもご自身が満足されれば、良い治療をしたとして良いかもしれません。もちろん、倫理上の問題があり、何でもかんでも患者さんの満足のみを追求するのは問題ですが、このような問題点を除けば、おおむね、良い治療として良いと思います。
では逆に悪い治療とはいったいどんなものでしょうか。技術的な手術の失敗、腕の未熟さから来る出来の悪さなどは実は問題外なのですが、一般に、あそこはうまい、下手というのはそのような事を言っているのではないでしょうか。たとえば注射が痛い、痛くない、腫れが続く続かないなどは、もちろん多少の技術的な違いはあるでしょうが、実は手術の結果にはあまり関係のない事です(もちろん、痛くないに越したことはありませんが)。
良識ある美容外科では「腫れない、痛くない」などとは決して言わないと思います。そのような努力はしますが、生理的な反応を完全に消し去ることは不可能だし、そのような言い方で手術を勧めることも気に入りません。嘘をつきたくないからです。
と言うことで、私のクリニックでは、私の技量以上の治療は致しません。もちろん、技量を向上させるため、日々勉強しているつもりですが、自分の妻や娘にでもためらいなく安心して出来る治療のみを行ってゆくつもりです。
言い訳に聞こえるかもしれませんが、腫れもあるかもしれませんし、痛みだって我慢してもらうかもしれません。もしかしたら要求通りの事は行えませんと治療をお断りするかもしれません。
しかし、ひたすら誠実に丁寧に、私を信頼してくれる患者さんに100%お返しできる治療を心がけているつもりです。これが私の最も良い治療だと考えているからです。
自由診療と保険診療について
あり方の部分でも少し触れましたが、私のクリニックの自由診療と保険診療の線引きについて述べます。基本的には保険診療機関ですので、厚生労働省で定められた病気に対する治療は保険診療扱いです。
当然ですが、自由保険の混合診療は致しません。ただ、一部一般に保険診療で出来る治療でも私のクリニックに限って自由診療としているものもあります。それは保険診療を大学の研修医のころから見てきて、相当な矛盾を感じる部分があったため、私のクリニックではそのような部分を一部解釈を変えています。
たとえば、まったく同じ手術をあり合わせの材料で設備も十分でない施設で研修医が行ったものと、最高の材料を使用し、完備した施設で熟練の外科医が行った手術では当然結果に差が出そうですよね。でも保険治療名は同じです。 このようなケースでも保険診療は同額です。たまたま、行った病院によって結果が変わってはこれはおかしいとは思いませんか?
現在は消費者が店を選ぶ時代であるというのは前述しましたが、保険診療の良い点は皆が平等に同じ治療(結果ではない)を受けられることです。しかし、病院にも差額ベッドがあるように少しお金を出せば、更に良い治療を受けられる権利を認めることも大事ではないでしょうか。
飛行機にはビジネスクラス、エコノミークラスがありますが、お金を出してビジネスクラスに乗った人は早く着くことも、違う目的地に着くこともありませんが、快適さや安全(もしもの時は一番に誘導されます)を買ったわけです。これは決して差別ではなく、資本主義経済の中の当然の原理ではないかと思います。