粉瘤・脂肪腫・皮膚腫瘍
粉瘤・脂肪腫・皮膚腫瘍について

「脂肪のかたまり」と俗にそう呼ばれますが、いくつかのものが考えられます。一番多いのが粉瘤というものです。
粉瘤は皮膚の中に袋ができ、その中に皮脂のようなものが貯まって、徐々に大きくなるものです。体中どこにでも出来ます。皮下でころころとした動くできものを触知します。感染すると徐々に化膿し赤みが出て、痛みも伴います。感染した場合、そのまま放っておくと破れて膿が出る場合もあります。脂肪腫という本当の脂肪のかたまりで出来る腫瘍はもう少し柔らかですが、下床と癒着し、動きが悪い場合があります。直径10センチ以上の巨大なものもあります。
手術について
粉瘤の手術は皮下の袋状となっているカプセルと皮膚の一部を同時に切除します。感染した時期ではなく、皮下におとなしくしているときの方がより良い手術が出来ます。
脂肪腫の場合も周囲のカプセルごと切除する手術となります。
粉瘤・脂肪腫のよくある質問
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- Q
粉瘤、脂肪腫の治療とは何ですか?
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A
手術をして粉瘤や脂肪腫を袋ごと切除する治療のことです。
- Q
粉瘤、脂肪腫は自然に治りますか?
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A
粉瘤、脂肪腫ともに放置すると大きくなることがあり、自然治癒することはありません。
粉瘤は内容物が排出されるとサイズが小さくなることはありますが、匂いを発するようになったり、細菌感染による炎症を起こす可能性があります。
どちらも早めの手術をお勧めします。 - Q
痛くない粉瘤や脂肪腫は手術が必要ですか?
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A
大きくなる、炎症を起こす可能性があるので手術の案内になる事が多いです。
サイズがかなり小さい、痛くない、炎症がない場合はすぐに手術をせず経過観察する場合もあります。 - Q
痛い、赤い、化膿している粉瘤はどのような治療を行うのでしょうか?
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A
抗生剤の内服または切開排膿です。
袋ごと切除する根治的な手術は難しくなる場合が多いです。
受診せずに様子を見ているうちに症状が悪化する事があるので早めの受診をお勧めします。 - Q
切開排膿とは何ですか?
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A
局所麻酔の注射をして切開し膿を出します。
切開した傷は縫合する事ができません。
しばらくの間、毎日通院していただき、切開創をきれいに洗浄する処置をします。 - Q
粉瘤は自分で押しだしていいんでしょうか?
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A
無理に潰すと炎症のリスクが上がってしまうので、やめておきましょう。
- Q
受診当日に手術ができますか?
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A
手術は当日はできません。(予約をして帰ることはできます)
化膿している粉瘤は当日に切開排膿の処置をする事があります。 - Q
手術にかかる時間はどのくらいですか?
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A
大きさや部位によって差はありますが10〜30分程度です。
来院から会計までの所要時間は1時間前後です。 - Q
手術に伴う通院では何をするんでしょうか?
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A
手術翌日に消毒をし、1週間後に抜糸を行います。
抜糸後も術後1ヶ月、3ヶ月で診察を行います。 - Q
手術時は何麻酔をするんですか?
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A
手術する部分に注射をしての局所麻酔です。
- Q
術後の痛みはどれくらいですか?
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A
手術当日に鎮痛剤の処方があります。
傷の大きさや深さにもよりますが鎮痛剤を1〜2回内服する程度です。
サイズが小さい場合は鎮痛剤が必要ない場合もあります。 - Q
術後の入浴などで気を付けることはありますか?
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A
手術の傷には絆創膏や防水テープを貼って帰ります。
当日からシャワーや洗顔ができる場合が多いです。
手術当日は出血のリスクを避けるため長風呂は避けましょう。手術の傷によっては、その部分を濡らさない方がいい場合があります。
その時は、傷の部分を避けて洗っていただきます。 - Q
手術や切開排膿の傷跡は残りますか?
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A
傷跡は残ります。
はじめは赤く目立つ傷ですが数ヶ月後は白っぽい傷になる事がほとんどです。
この傷跡が目立つと感じるかは個人差があります。
傷跡のケアで抜糸後はテーピングをします。
炎症性粉瘤の切開排膿後の傷は幅があり目立つ傾向にあります。 - Q
粉瘤や脂肪腫など保険適応手術の料金はいくらくらいでしょうか?
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A
部位や大きさで異なりますが3割負担の方で5000円〜25000円程度です。
- Q
できものが良性か悪性か知りたい?
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A
手術で切除した組織を病理組織検査に提出して調べる事ができます。
約10日間で検査結果が分かります。 - Q
手術の合併症は何がありますか?
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A
疼痛・内出血・再発・感染・出血・傷跡・肥厚性瘢痕・ケロイド・麻酔薬のアレルギーなどがあります。
- Q
ホクロ・イボについて

ホクロは見栄えの問題で切除を希望される方が多いのですが、中には多少問題のあるホクロも含まれることがあります。ホクロである限りは良性ですが、中には悪性や前癌状態のものもあるので、注意が必要です。
ホクロは皮膚表面より下に本体(根)があるため、ある程度の深さまで取る必要があります。
イボも、体にできるもの、ウィルス性のもの、顔・首などにできる老人性のイボなど種類はさまざまです。
ホクロ・イボともに、自分で取るのは、やめておきましょう。まずは、医師の診察を受け、適切に処置を受ける必要があるでしょう。
ホクロ・イボの治療方法
- 炭酸ガスレーザー
(CO2レーザー) - 炭酸ガスレーザーはホクロ・イボの除去・盛り上がりのあるシミに対して有効な治療です。治療の際は局所麻酔を使用します。出血がほとんどなく比較的短時間でできます。通院も必要ない場合がほとんどです。奥の方や周辺にホクロの細胞が残る場合があり、再発することがあります。
- 切除縫縮法
- 金属メスを使用して切り取り、縫合する方法です。後に縫ってしまいますので、どれだけ深くまで根があっても完全に除去出来ます。基本的に再発はありません。また、手術跡が一本の線になりますので、きれいな仕上がりが期待できます。約1週間は糸のついた状態となります。(洗顔などは可能です)
- くりぬき法
- 切り取り、そのままで治す方法です。自分の力で傷跡を治す方法なので、腫瘍が深い場合には、水疱瘡の跡のように多少凹んで治ってしまうことがあります。
ホクロ・イボのよくある質問
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- Q
手術とCO2レーザーどちらがお勧めですか?
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A
それぞれメリット、デメリットがあります。
大きさや場所、予算によって一概にどちらがお勧めというのは難しいです。
来院時に詳しくお伝えします。
ゆっくり考えて決めることをお勧めします。 - Q
受診当日に処置ができますか?
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A
CO2(炭酸ガス)レーザーは当日に施術できる事が多いです。
手術は当日はできません。(予約をして帰ることはできます) - Q
CO2レーザーは処置後の通院が必要ですか?
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A
傷が順調に治って心配がなければ通院は必要ありません。
心配な事があれば電話でお尋ねください。
必要があれば受診の案内をします。 - Q
気になるホクロを全部一度に取れますか?
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A
傷の治りが悪かったり、傷跡が思った感じと違って気になるという方もいらっしゃいます。
また、いくつかのホクロをとると顔の印象が変わったりもします。
当院では、一度に多くのホクロ処置をすることはお勧めしていません。
2〜3個くらいずつの施術をお勧めしています。
実際に施術する箇所、数は来院時に相談して決めます。 - Q
ホクロやイボをとると傷跡は残りますか?
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A
順調に傷が治癒しても白っぽい傷跡は残ります。
- Q
傷跡は目立ちますか?
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A
同じ傷跡を見ても「目立つ」「気にならない」と感じ方は様々です。
必ず目立たない傷になるという約束はできませんが、目立ちにくい傷跡になるよう、紫外線や摩擦を避けることなど日常生活で注意できる事をお伝えします。 - Q
手術後、メイクはしても大丈夫ですか?
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A
傷の周囲以外は通常通りにできます。
手術の傷部分は抜糸の翌日からできます。
CO2(炭酸ガス)レーザーは傷が乾いてきたらできます。
どちらも目安は約1週間です。 - Q
再発することはありますか?
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A
CO2レーザーでの処置では再発する可能性はあります。
再発するかしないか、いつ再発するか、どれくらいの範囲で再発するかはわかりません。
再発した場合は再度処置をする事ができます。 - Q
悪性ではないか不安です、、
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A
手術で切除した組織を病理組織検査で調べると良性か悪性かがわかります。
病理組織検査の結果は約10日でわかります。
CO2レーザーで処置した場合は病理組織検査ができない場合があります。 - Q
処置は自費か保険かどちらになりますか?
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A
診察で症状を見て保険の適応になるか判断します。C02レーザーは自費の処置です。
- Q