傷跡・ケロイド
治療法・期待される効果
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手術しない方法(保存的治療)
- 貼り薬
- ステロイドのテープを貼る治療です。1日に1回貼りかえます。ドレニゾンテープ、エクラープラスター等を使います。(保険適用)
- 飲み薬
- 抗アレルギー剤であるトラニラスト(リザベン®)は、患部のかゆみなどの自覚症状を抑えてくれます。病変の鎮静化作用も期待できます。組織の中の炎症細胞から出る伝達物質を抑制することで効果を発揮します。(保険適用)
- 塗り薬
- かゆみや赤みを抑えたい場合はステロイドのクリームや軟膏を処方することが多いです。また、ヒルドイドソフト軟膏®(ヘパリン類用物質)や非ステロイド系の抗炎症剤など、複数の薬剤が効果を認められています。(一部保険適用)
- 圧迫固定
- 傷跡は手足や関節など、動作が多い部位や刺激を受けやすい箇所に残りやすいので、創部を保護する場合があります。
- 注射
- ステロイド系の薬剤を患部に直接注射します。傷跡の隆起や赤みを減らす作用が強いので有効である一方、効果が強すぎて傷跡がへこむこともあるので注意が必要です。また副作用で生理不順になる事があります。
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手術する方法
- 瘢痕切除
- 傷跡を切除・縫合することで、外観上目立たなくできる場合があります。
傷跡によってはZ形成・W形成などの方法が良い場合もあります。ケロイドは切除しても再発し、より大きなケロイドになる事もあるので、十分な検討が必要です。 - 術後療法
- 術後、傷跡をより目立ちにくくする為にできるケアがあります。テーピング・紫外線対策・摩擦予防などです。
症状によっては、内服薬や外用薬を使うこともあります。
傷跡・ケロイドについて
ケガや治療などの後に傷跡で悩んでいる方は少なくないでしょう。傷跡には瘢痕拘縮やケロイド、成熟瘢痕や肥厚性瘢痕のほか肉芽腫などの種類があり、それぞれにあった対応をする必要があります。
ケロイドは体質に左右されることが多く、遺伝的要素があることも知られています。肩や胸、耳や腹部にできやすく、帝王切開後下腹部に現れる例も見られます。
肥厚性瘢痕はケロイドと勘違いされがちですが、ケロイドのように傷より外に拡大しません。
成熟瘢痕は白っぽく周囲と異なる質感が特徴です。肉芽種は腫瘍や感染の後組織が増殖して起こります。
瘢痕拘縮(つっぱり)は手足や関節部、顔に多く、その部位の動作が制限されることがあります。症状により、外用薬、内服薬、手術などの治療があります。