講師:管理栄養士・田原
1日の塩分摂取量、知っていますか?
みなさんは、一日に摂って良い塩分がどれくらいかご存知でしょうか?
また、男性と女性とで、量が違うということもご存知でしょうか?
今回の糖尿病教室では、参加者の皆さんに、男女それぞれ目標とされている塩分量を予測してもらいました。
正解は・・・
男性8g、女性7g、高血圧などの治療で減塩を目的とする方は6g

6gって、結構、厳しい量ですよね?
1食あたり2gの計算になります。病院の食事が美味しくないといわれる患者さんが多いのは、薄味なので、そう思われるのかもしれません。
因みに、現在の日本人の平均摂取量は、どれくらいかお分かりになりますか?
平成28年度の国民健康・栄養調査によると、男性10.8g 女性9.2gという結果が出ていています。男女ともに、目標に近づけていないのが現状です。
では、どうしたらよいのでしょうか?
高血圧症は、お薬で治療もできますが、まずは食事と運動で改善できることがあります。
クイズ!カップラーメンを塩分順に並び替えよう!
まずは、日ごろの食事にどのくらいの塩分が含まれているのかを調べてみましょう。
今回の糖尿病教室では、手軽に食べることのできるカップラーメン3種類を用意しました。参加者の皆さんには、男性と女性のチームに分かれて、カップラーメンを塩分の多い順に並び替えて、それぞれの塩分量がどれくらいなのかを考えていただきました。



男性チーム、女性チームとも、順位の予測は同じでした。
- どん兵衛 きつねうどん
- 焼そばUFO 濃厚激辛ソース
- カップヌードル ライト
塩分量については、予測が難しかったようでしたが、女性チームは、日頃の調理経験からでしょうか、なかなかの近い数値を挙げていらっしゃいました。
そして、、、気になる正解は ↓↓↓






グラム数を発表した時、参加者のみなさんから、「おぉー」「わぁー」という驚きの声が挙がりました。「もう夜食に、カップめんは、食べれんやん。」という声も聞こえました。
また、実際に入っている量がどのくらいなのか、分かりやすいよう透明なパックに入れたお塩も、一緒に回覧して見ていただきました。

昆布だしの飲み比べ体験
次は、3種類の昆布だしの飲み比べをして、味の違いを体感していただきました。
3つの出汁を順番に味見をしてもらい、ⒶⒷⒸのどれなのかを参加者の皆さんに当ててもらいました。
Ⓐ無添加こんぶだし(粉末)
Ⓑこんぶだしの素(粉末)
Ⓒ天然こんぶ
Ⓒ天然こんぶからとった出汁は、みなさん、すぐに違いがわかったようです。
理由としては、『味に甘みと香りを感じた』、『美味しかった』、などでした。天然こんぶからとった出汁は、塩分も少ないので、減塩対策として活用していただければと思います。
また、ⒶとⒷの違いに迷う方が多くいらっしゃいました。無添加のⒶの方が塩分も少ないので、若干味が薄く感じられたようです。だしの素を使うときは、無添加のものを使うと良いでしょう。
栄養指導をしていて、よく患者さんに「お出汁をとりませんか?」とお話しすると、「手間がかかるし、時間もないから、そんなことしない」と言われることがあります。今回の「出汁飲み比べ」で使った天然のこんぶだしは、実は『昆布に、ただ熱湯をかけて放置していただけ』のものだったんです。それだけでも、十分美味しい出汁がとれるんです。もちろん、一番美味しいのは、一晩水につけた昆布を、爪あとが少し残るくらいの柔らかさになるまで、火にかけてとったものです。たまにお時間のある時には、奥様はご主人の健康のために、ご主人は奥様の健康のために、心を込めて、お出汁を作ってあげるのもよしかもしれませんよ~。
意識して減塩しましょう!いろいろな減塩方法について
最後に、その他の手軽に出来る減塩方法をご紹介します。


調味料は「かける」より「つける」!
ソースやドレッシングなどの調味料は、「かける」よりも「つける」ようにしましょう。「つけ方」にも、少し気をつけて、「べったり」ではなく、「さっと」つけるようにすると塩分が控えられます。
麺類の汁は飲み干さない
ラーメンやうどん、そばなど 麺類の汁は、飲み干さないようにしましょう。汁を半分残すことで、約2gの減塩になります。
また、インスタントラーメンを食べるときは、野菜を多く入れたり、インスタントの素を半分に減らして、その分だしをプラスする作り方もオススメです。
塩の代わりになる調味料や食材を使ってみよう
塩の代わりに、生姜、青じそ、レモン汁などを使うことで、薄味が気にならず、料理の味を引き立てることが出来ます。
バランスの取れたメニューをご紹介しています
クリニックでは、糖尿病教室のほかに、月1回 調理実習を開催しています。レシピは、毎回1食あたりの塩分は2.5g以下になるように考えられています。
もちろん、総カロリーや糖質についても考慮したメニューとなっています。どなたでも、参加いただけますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
