しみ・そばかす

肌の老化

皮膚の表面近くにある表皮細胞層は基底細胞の細胞分裂によって新しい細胞を補給され、古いものは次々に角質となり、垢として捨てられれゆきます。これを皮膚の新陳代謝と言いますが、十代はこの周期が1ヶ月足らずで総入れ替えされいると言われています。いつもみずみずしい肌を保っておくためにはこの新陳代謝が絶対条件です。

肌の老化にはいろいろな原因、要素がありますが、中でも大きなウエイトを占めるのがPhoto Aging(光老化)という現象です。繰り返し太陽光線(日光)に当たると皮膚が赤くなったり、メラニン色素が増えて、シミやそばかす、色黒になったりします。これは太陽光線に含まれる有害な紫外線が皮膚に当たると皮膚の基底細胞層にあるメラノサイトという細胞が刺激を受けて深部を保護するためにメラニン顆粒を放出して煙幕を張るためです。日焼けして色が黒くなるという現象です。

いったん放出されたメラニン顆粒も新陳代謝の流れに乗って、結局は垢として捨てられてゆきますが、紫外線などの影響や二次的に産生された活性酸素などの毒性によってこの流れが遅くなったり停滞し、また落ちるべき古い角質が「ふた」のように覆ってしまうとメラニン顆粒の排出はさらに障害され「くすみ」「黒ずみ」の原因が生まれます。

さらに紫外線によってメラノサイト自体が傷つき、紫外線が当たらなくてもメラニンを産生し続けるように変化してしまうこともあると言われています。消えない頑固なシミはこれにあたります。

さらにその変化の中で、その紫外線のうちUVAは、皮膚の奥深くまで入り込み、肌の弾力とハリの元になっているコラーゲンなどを傷つけることも知られています。

しみ・そばかす・あざなどの色素性疾患の治療にはいくつかの方法があります。それぞれに利点欠点があり、また適応の違いもあります。

Qスイッチレーザー治療

レーザーは特定の色(波長)にのみ吸収される純粋な光のエネルギーです。中でもQスイッチレーザーは1億分の1秒という超短時間に皮膚に大きなレーザーエネルギーを照射し、皮膚そのものの損傷のないうちに色素のみを破壊する方法です。しみに対してはQスイッチアレキサンドライトレーザー、Qスイッチルビーレーザー、Qスイッチヤグレーザーなどが代表的なものです。通常、レーザー照射後7〜10日間は皮膚に黒いかさぶたができ、かさぶたが取れるとピンク色の新しい肌が出来てきます。効果が劇的ですが、強力な治療なだけに場合によっては反応性色素増強などの副作用を起こすこともあります。これはレーザーを照射した部位が元来のしみよりも濃くなってしまうという副作用です。従って、この治療を開始する際にはまずはテスト照射をして1ヶ月程度様子をみてから始めるようにしています。
このレーザーはしみの他、茶あざ、太田母斑、蒙古斑、入れ墨などにも有効です。
フォトフェイシャル
フォトフェイシャルは紫外線などの有害波長をカットオフした強力な光治療です。照射可能な波長の範囲が広いため、いろいろな皮膚のトラブルに同時に対応することが可能です。
詳細はこちらをご覧下さい。

ケミカルピーリング

ピーリング(peeling)は剥がすという意味ですが、ここで言うピーリングは、そのようなイメージとは違い、もっとマイルドな方法です。
ケミカルピーリングで使用するグリコール酸(フルーツ酸)は肌にはマイルドですが、酸性度は高く不要な角質に対しては高い除去効果を示します。グリコール酸は余分な角質を優しく取り除き、肌の新陳代謝を高めます。また、基底細胞部分を活性化させ、肌の生まれ変わりを促進します。グリコール酸は中和しない限り、深くまで浸透します。このため、正確な時間で中和し、不要な副作用を避けます。逆に皮膚の深い真皮部分ではその影響により、弱い炎症反応が起きます。このため、ピーリング後は多少の赤みが出るわけですが、この炎症のおかげで真皮部分ではコラーゲンの新生が起こり、ひいては肌に張りを与える効果が期待できるわけです。
また、グリコール酸の高い殺菌作用と新陳代謝促進効果により、ニキビ、吹き出物にも高い効果を現します。

イオン導入

紫外線によって生まれる活性酸素は強力に組織を酸化し、老化を促進する物質です。これに対し、抗酸化剤(スカベンジャー)と呼ばれる物質があります。抗酸化剤は活性酸素を消去する役割をもっており、この代表がビタミンA,C,E、ポリフェノール、カテキンなどです。しかし、ビタミンなどは、直接肌に塗っても皮膚のバリアを容易に通過出来ないため残念ながら殆ど吸収されません。そこでイオントフォレーシスという技術を用います。微弱な電流を体に流し、イオン化可能な物質を肌に直接強制導入する方法です。この方法を用いるとビタミンなども高濃度で皮膚内に吸収され直接抗酸化剤としての効果を発揮出来るわけです。また、最近の研究によるとこのようなスカベンジャーの一種には、遺伝子のしっぽにくっついている細胞の寿命を決定するテロメアという物質の崩壊を防ぐ役割があるものも発見されているようです。つまり、イオン導入で抗酸化剤を皮膚内に導入することは老化を防ぎ、若い肌を保つのに有効と考えられています。

炭酸ガスレーザー治療

皮膚表面にやや盛り上がった老人性疣贅(ゆうぜい)や首に多発する糸状繊維腫などはこのレーザーの適応です。

併用療法

フォトフェイシャル + イオン導入

フォトフェイシャル治療の直後に高濃度ビタミンCを皮膚に導入します。
ビタミンCは老化の原因の一つ、活性酸素を消去するスカベンジャー(抗酸化剤)です。フォトフェイシャルで刺激を受けた肌を沈静化し、潤いを持たせより美白効果を引き出します。

フォトフェイシャル + ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは肌年齢の若化や吹き出もの予防、シミの予防などにきわめて効果の高い方法で、肌ケアのベースと考えられます。この方法をフォトフェイシャルと併用することによって、より持続が長く、高い効果を期待できます。
ただし、どちらの方法も肌への影響が大きいため同日に施行することは避け、1週間〜10日間隔で交互に実施してゆきます。

 

考察

しみなどの色素性疾患にはいろいろな治療法が考えられます。その方法にはそれぞれ適応、利点欠点があり、どの方法が適しているかは十分な検討が必要です。さらに、単独の療法が良いか併用療法が良いかも検討が必要でしょう。

基本的には上記のいずれかの方法を単独または併用で行うのが良いと思われますが、その他にも内服療法、外用療法など多数の治療の複合治療が効果を上げることも考えられます。私のクリニックでは、まずどれかを選択するのではなく、ひとつひとつ試してみて、その治療が自分に合うのか、そうでないのか、その治療が実際効果があるのかないのかを判定していただいた上でその後に治療計画を立てていく方針としています。

しみは簡単に見えて、しかし、最も難しい治療の一つです。奥の深い治療と言えます。その理由はシミの成因、ホルモン環境、年齢などに個人差が多く、同じ治療をしても結果が一人一人違うという点にあります。全く同じ治療で誰もが同じ結果を得られるになら、苦労することもないのですが、ごく些細な設定の差、肌の反応性の差によって条件が大幅に異なり、一定の結果を出すことすら困難になります。まずは、スタートラインに立って、スタンダードの治療を試してみましょう。もちろん、それだけで劇的な効果が得られるとは思えませんし、それを期待しても無理と言わざるを得ません。しかし、そこが原点、最初のデータとなって次の治療の最初の一歩となると思います。

まずは、初期データとその差分のデータを取ることが第一歩だと思います。当院ではそのデータのための出費は最小限に出来るように設定しています。
治療はまずは初期設定を決定することから始めることにしましょう。


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